天声人語の書き出し・結語【名文集】花火

天声人語の書き出し・結語【名文集】

『花火』

花火大会というのは、全国各地で年間千回以上も開かれるそうだ。最近は、花火好きの住民が金を出しあって、自前の花火大会を開くこともあるらしい。打ち上げ花火の生産額は年間約四十四億円である。それだけの花火が毎年、夜空に消える。

広島の原爆体験を語るときも「女は醜かった。あんなになると女のほうが汚く見えるんじゃね。髪は焼け焦げてしもうとるし、服にモンペだけというだぶだぶした姿じゃから、焼けるとだらりと垂れて」と冷静な目を失わない。

そのあやさんが、花火について語っている。「真っ黒な空に花が咲いて、いろいろに変わって消える。あれは消えるからええんじゃね」。

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